こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は小学校時代、懐かしいなあと思われる方もいるかもしれません。「集団登校」で垣間見られる、発達障害児あるあるなお話。
集団登校とは
地域によっては「集団登校」と聞いて「何それ?」と思う方もいるかもしれませんね。
集団登校とは、近所に住む小学生達が班を作り、1年生から6年生までの子供たちがまとまって登校する、というものです。
知らない方には何のメリットがあるのか検討がつかないと思いますので、簡単な説明をしますね。
集団登校のメリット
集団登校のメリットとしてまず挙げられるのは、「縦割りの世界を体験する」こと。
我が家もそうですが、一人っ子が多くなっている現代で学年を越えた関わり合いは社会性を培います。良くも悪くも、ですが。
赤ちゃんの頃のように全てのものから養護されてばかりの世界では、嫌なことを自分で回避する、問題と向かい合い、どう対処するかを考える、などの力が育ちにくくなります。悪口とか嫌なイタズラとかの対応、ですね。
集団登校では、この力を否応なしに訓練させられる場面が出てくることもあります。
6歳から12歳までの子どもが集まるので、幼稚園時代と比べて遥かにこういった洗礼は多くなってきます。
幼稚園や保育園では、親から預かって親元に帰すまで、保育士等大人の目が必ずありますが、小学校になると先生や大人が介入しない時間も少しずつ増えていきます。
発達障害は重度でなければ何とか小学校低学年までは「定型発達児と同じように学校生活を送っているように見える」こともありますが、子ども同士の間ではその「微妙な違い」が認識され始めます。子どもたちは大人以上に「違い」に敏感なのです。
それでも低学年時は、それなりに面倒を見てくれる高学年の女の子や正義感の強い男の子が守ってくれたりする場面もあります。
それとは逆にその「微妙な違い」にやたらと攻撃してくる子が登場することもあります。
こればかりは「人間が集まると」どうしても出てきてしまう問題。その時属した「集団」が凶と出るか吉と出るかは、本当に運次第だな、と思わずにはいられませんね。
子どもの心も身体も、全て守ってあげたいけど…。「嫌な言葉や人をかわしたり、時には対峙したりする経験」は、大きくなってから学習するにはリスクが大きくなることも…。実は発達障害児が小学校で一番力を入れて学習することは、これなんじゃないかと思います。
目撃した場合は私も出て行って処理することはありましたが、「ちょっとしたこと全て」を親が毎回毎回処理していたら、成長したときに自分で上手く対応できません。
自分の足で立って「これからの人生を歩んでいく」ためには、試練はある程度必要なんですね。
ちなみに不登校や引きこもりの人の学童期には、この「悪口や嫌な事をされた時の対応」が自分で上手くできなかったことが根っこにある場合が時々あるんだよ。
適度な運動
次に「適度な運動」というメリット。
集団で決められた通学路を歩くので、勝手に道をショートカットすることはできません。
しかも交通量の多すぎる道は、避けるように決められている場合が多いので(横断歩道ではなく、回り道をして地下道を通る、とか)、必然的に距離は長くなるため、毎朝歩くことで継続的な運動となります。
授業の前にちょっとした運動を取り入れるとその後の集中力が増すという調査結果もありますし、集団登校でそれが叶うなら一石二鳥ですね。
アメリカ・イリノイ州のとある学区が、『0時間体育』を導入しました。『0時間体育』とは聞き慣れない言葉ですね。この意味は、読んでその字のごとく、『授業の前に運動を行う』というもの。1限目の授業の前に受けるので、それなりに早い時間帯であることは想像できますが、これが生徒たちに好影響を与えたのです。この『0時間体育』に参加することで、生徒の成績が向上。しかも、『0時間体育』の直後の1限目の教科が、成績が顕著に上がったのです。
安全第一で決められた道順を集団で歩くから、事故の危険性も減少するよ!
登校時の安全性が高くなる
それから、これは地方特有かもしれませんが。息子の小学校では横断歩道や十字路、交通量の増える裏道など各箇所に、保護者や地域の方が立って児童の安全を黄色い旗などで毎朝確保する、見守り活動と言われるものを実施していました。
この活動をしている地域は結構多いかと思います。
ここでは「元気に挨拶をするように」と学校で教えられているので、なかなか難しい子もいますが、挨拶の習慣はつきます。
当番の日は朝から忙しくなりますが、子供達の安全のためならやむを得ないかな、と思いますね。
昨今は横断歩道を歩いていても轢かれてしまうような、悲しい事件もありますから。
問題行動が表れ始めた
さて、そんな集団登校。
我が家の息子は半年ほどこれに参加して登校していましたが、段々問題が出てくるようになりました。
何でもそうなのですが、息子は「最初」はとてもお行儀よくできます。
緊張しているため、神経細胞の活動が活発化して、ADHD特有の落ち着きのなさが出にくくなるのです。
緊張感が集中力を増し、多動を抑え込むんですね。
きちんと相手の話を聞き、ウロチョロすることなく(むしろ非常に好感的に)行動します。
明るく元気に返事をするので、「最初のうちは」とても優秀そうに見えます。不安そうな子に声をかけたり、率先して手伝いを引き受けるので「よく出来た子」と勘違い(笑)されることも…。この状態は緊張が緩んでくる1ヶ月後にはだんだんフェードアウトしていきます…。
緊張が続く数週間はハキハキと返事をし、ソツなくこなすので、定型発達児となんら変わらないのですが。
慣れが出てくる1か月後あたりになると。だんだんとその特性が見え隠れし始めます。
最初は「登校中に列からはみ出て歩く」という苦情が上級生から先生へと告げられ、先生が息子に「列からはみ出すと危ないからね」と注意する、というような問題でした。
そのうち「大幅に列から外れてしまう」「わめき声を上げる」「泣いて座り込むので班が遅刻しそうになる」などの苦情が毎日続くようになりました。
まとめ
当時は発達障害であることが分からなかったため、私は再三連絡帳に書かれる苦情に息子をたしなめてばかりいましたが、実はそれなりの理由が存在していたのです。
次回、彼の問題行動の理由について書いていきたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。